
さまざまのこと 思ひ出す桜かな 芭蕉
どうやら今年は多くの地域で桜が満開になった頃の天候がいまひとつだったようですけれど、花散らしの風情もいいものです。
こんな風景を眺めていると、ふと、日本人だなぁって思いませんか。
送っていただいた写真をあれこれ見ていると、本当にみなさん別々の場所に住んでいるんだなあって思います(当たり前ですが)。
私たち、会うはずのない人に出会い、見るはずのない桜を眺めているわけなんですよ。もうネットのそういう特色なんてほとんど忘れていますが、やっぱりどう考えてもすごいことだと思います。
(静岡県 三島大社 4/4 SINONEさん撮影)

同じくSINONEさん撮影。
思えば年にほんの数日、長くて一週間少し、咲いて散ってゆく花のいじらしさ。

月に雁、桜に飛行機。やっぱ飛行機モデラーはこれでなくちゃ。
この桜は山桜なので、葉っぱが茂っています。
西行さんの桜はこちらですね。山桜の風情も大好きです。
(静岡空港 3/27 Tさん撮影)

同じくTさん撮影、静岡市の桜、こちらはソメイヨシノです。
別れの朝 ふたりは
白いドアを ひらいて
駅につづく こみちを
何も言わず 歩いた
やがて汽車は 出てゆき
一人残る わたしは
ちぎれるほど 手をふる
あなたの目を みていた (「別れの朝」ペドロ&カプリシャス)

京都・祇園の桜だそうです。(ヒロさん撮影 4/4)
もーっ京都って聞いただけで、はんなり、いい感じに見えてしまいます。
それと、桜って水が似合いますよね、つくづく思います。
二週間くらい息子が帰っていたが、いよいよ就職のため東京に出発した。
こんなに長く帰省したのは初めてで、最初で最後だと思いますが、毎日することもなくダラダラしていた息子と、ずいぶん色んなことを話した。
今日も家で息子を見送った。いつもそうなんだけど、私はバス停に行く勇気がない。泣いちゃうから。
桜が心に沁みる。四年前、息子の合格が決まったときは三日後に津波が東北に押し寄せてきて、日本中が悲しみに包まれた。あのとき心を慰めてくれたのも桜だった。そして、人は移り変わっても花は散っては咲き、同じように愚かな心をなぐさめてくれる。
まだ今から咲く地域もあるんでしょうね。桜の写真はいつでもお待ちしております。